表紙をめくった所にある内容には、妹への不満と自分を奮起する文章が軽快に書かれていますが・・・
実際の京介の状態を考えると、これは動揺しているため、と推察できます。
アメリカから桐乃を連れ戻す際に言ったセリフの恥ずかしさが、今になってじわじわと彼を追い詰めている、そんな感じなのかな、なんて考えたり。
もともと仲のいい間柄ではなかった兄妹。
お互いに無視し合う冷えた関係。
光の当たる人生を歩く妹と、平凡な道を進む兄。
作中の描写ではわかりあうことなどありえない、といった風な説明がなされていて、それだけこの一年の変化が大きかったことを強調しています。
きっかけは妹から兄への人生相談でした。
高飛車な態度にいつもむかっ腹が立っていた兄でしたが、妹からの相談に真剣に取り組むことで、妹は兄を見直していきます。
今では、その関係は普通の兄妹のようになり、京介はその距離感が少しこそばゆく感じているようです。
読んでいてほほえましい光景ですが、変わったのはそれだけではありません。
一年の歳月は二人の関係だけでなく、周囲の関係をも大きく変えていきました。
初めての人生相談で出会った二人の友人が、その変化の中心にいたことは間違いないです。
彼女たちに出会えたから今の自分達がいる、そう京介は思っていて、この巻でも彼女達のために頑張っています。
桐乃も黒猫も、あんなことがあったからか、京介とどうやって接すればいいかわからず、いつもと変わらぬ態度をとっているのですが、それが京介には拍子抜けのよう。
もっと関係が劇的に変わってしまうのではないかと不安に感じていて、けれど前ほど平凡というものに固執しなくなったのでその変化に期待しつつもあり―――といった感じで物語が始まります。
それにしても京介はどんどん毒されてますねw
考えることがエロゲシナリオを基準としたことになっていたり、オタクネタがわかるようになっていたり!
いやはや、こうやってオタクに染まっていくのを見ると、なんか嬉しく思いますね・・・なんでかわかりませんが。
それに、変態度に磨きがかかってきましたね・・・!
あやせとの絡みは面白すぎて何回吹いたことかわかりませんww
変態の京介に容赦ないつっこみのあやせ、このコンビは、作中最高だと思います。
何気に似てますしね・・・スイッチ入ったときの二人って。
赤城兄と京介との話も勢いあって面白いんですけどね!
・・・な、70万か・・・てところは爆笑させてもらいました!
かつてないギャグセンスを披露してくれる今作でしたが、それだけではありません。
田村家のロックがどうしてあんなにあんちゃんになついているかや、黒猫を意識した描写、それに、桐乃の最後の言葉・・・奴肝を抜かれました。
次巻へ続く伏線もあり、桐乃の言葉もあり、期待が高まるばかり。
個人的には黒猫との話をもっと多く書いてほしいです。
俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈6〉