2010年11月13日土曜日

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 3巻 感想

三巻目、読み終わりました。



三巻目となると、もはや今までのクオリティは保てないのじゃないかと心配してましたが、杞憂でした。

安定した世迷いごと・・・矛盾してるとしか思えない表現ですが、間違っていないんです、これが。
一歩間違えれば自己満足(私のがまさにそうですが^^;)になってしまいそうな文章なのに、抜群の安定感で見事に作風に昇華させています。
じっくり読まないと意味がわからないラノベ筆頭と言い切れるほど癖が強い文章なので、そこのところは覚悟しといてくださいw

基本的にみーくんと呼ばれる主人公の視点で語られる物語ですが、今回は彼の妹が登場します。
一巻は主人公が犯人候補筆頭になりましたが、3巻では妹が犯人候補筆頭という、ある種のレッテルをはられた上でのご登場。
この家系、犯罪者しかいねぇのかよ!って感じで、紹介文にツッコませてもらいました。
特徴的なキャラクターと二転三転七転八倒七転び八起き複雑怪奇な主人公の思考。
無自覚な悪意の伝染に殺人街としての町興し。
違和感を含めてきっちりと説明されていて、紹介文として申し分ない出来なのは明白なんですがね、そこは思わず。



推理小説として見てみると、とても構造がシンプルなのがわかります。
つまり非常に分かりやすい。
登場人物の会話をつなげていけばおのずと犯人が分かるようになっていて、そこに論理の飛躍だとか、難しいトリックなんかは必要ありません。
物語の構造はあっけないのに、どうしてうすっぺらい印象をもたないのか。
そこにこそ回りくどい文章の真骨頂があります。
木の葉を隠すなら森の中の理屈で、回りくどい説明が犯人に至るためのキーワードを隠してしまっているんです。
毎回、犯人がわからなかったのはそういうことだったんですよ!
・・・大前提として論理的な思考が必要という点はスルーの方向で・・・


嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 3 死の礎は生 (電撃文庫 い 9-3)


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